国家の誕生


故郷の集落の中には、人口が増え交通も発達して、食料や生活必需品を交換する市場も開かれるようになってきた。生活は豊かになってきたが、ときとして、市場に見知らぬ人々があらわれ、物品を略奪し、騙し、人々の命をおびやかす事もたびたび起きるようになってきた。このような自体になってきた時、人々は、集落の広場に集まり、意見を交換し、議論を重ねて、集落のまわりに掘りを作ったり、防塁を作ったりして対抗した。この大規模な土木工事を立案したり、指揮したりする人は、ひろばで、推薦されたり、選挙で選ばれたりした。こうして、最初の都市国家が成立した。都市国家は生活に必要な上水道と下水道を建設し、見知らぬ人の出入りを検問するための門を作った。見知らぬ、ならず者が入ってきて、天命に反することをやった時は、捉えて、天罰をくわえた。これらを指揮する人を国王と読んだが、世襲制ではなかったから、いわゆる、バカ王はうまれなかった。国内は安全で活気に満ちており、遠く離れたところ共、交易を重ねて豊かな都市国家となった。広場では自由な議論が交わされ、学問も発展した。しかし、このような国家はきわめて稀で、多くの場合、どこからか、見知らぬならず者がやってきて、略奪と殺戮の限りを尽くし、豊かな集落へは、ならず者の身内がやってきて、生き残った女子供を分配し、自らを貴族と称した。貴族の中で、最も残忍でずる賢い者が王と称し、周りの者は王にゴマをすって身の安全を図った。奴隷は、農地を耕し、食料を生産し、運搬し、生活に必要な者をすべて生産した。貴族は何も生産活動をやらず、奴隷に命令するだけの存在であった。こうして、いたるところに、小さな都市国家が誕生した。都市国家は、周りに掘り割と塀や石垣を巡らし、奴隷の一部を軍人として編成し、ならず者の侵攻に備えた。人類史上初めての国家は、天命を無視し、少数のゴマすり貴族と、略奪と殺害に長けた国王のいる国家が、近隣諸国を略奪し、支配を広めて大国への道を歩いた。ゴマスリの貴族どもは、言葉をきわめて、自分たちの国王は太王であるとほめたたえた。奴隷となったり、殺害されたりした人の歴史はほとんど残らなかった。近隣諸国に略奪に行く兵隊の主力は、奴隷の部隊であったから、奴隷同士が殺しあうことになり、一部の貴族は戦いの後方で指図をするだけであった。戦いに敗れたら、貴族もまた、奴隷にされる運命であった。国家とは、支配する貴族と、支配される奴隷とに分かれた、天命に反する制度であった。後世の学者はこの国家を奴隷制国家とよんでいる。






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