猿人から原人へ


450万年前、人類誕生の舞台となったアファール盆地は、次第に周りが高くなり、盆地は低くなり始め、乾燥化が始まり、密林や、高い樹木は姿を消して行った。あたり一面、人の背丈程の薮となり、雨期には緑豊かで見通しが悪く、乾期には葉を落として何かが動けば、それを見分ける事が出来る環境になった。ここに生息していた尻尾の無い猿の一つの集団が、高い木に登らなくても天敵から逃れる事を覚え、二本足で立って天敵を警戒し、見通しの悪い薮の中で、音声を出しながら、獲物を追いつめたり、餌を集めたりする生活を始めた。何十万年と言う長い時間である。ゆっくりと乾燥化が進んだ。そしてゆっくりと手足の形が変わり、足は、土踏まずが出来、前足は物をつかみやすい形に変わり、汗をかいて体を冷す事が出来る様に変化し、複雑な音声も出せるように変化した。これが、猿人である。人と猿の両方の特徴を合わせて持っている。アファール盆地でその化石が見つかったので、アファール猿人と呼ばれる。
アファール猿人たちは、高い樹木が少なくなり、木の上に登って、天敵から逃れる事が出来なくなり、洞穴や岩棚に隠れて身を守り、狩りや採集で得た物は、両手で担いで帰った。これらの猿人の中に、山火事の残り火を保存し、その火を使ってライオンやヒョウの天敵に対抗し、獲物を焼いて食べ、弓矢を持って狩りに出かけるグループが生まれた。このグループが人の先祖であると考えられている。今から200万年程前のことである。彼らは故郷のアッファール平原が、次第に乾燥化して食料が不足がちになって来ると、渓谷を渡り、山脈を越え海を渡り、アラビヤ半島の海伝いを北上し、中央アジアから、シベリアまで、マンモスを追ったグループや、ヨーロッパ中央を越えてイベリア半島まで達したグループもいる。およそ3万年前に絶滅したクロマニオン人である。北京原人やジャワ原人もこの流れの中に入ると考えられる。いずれも狩猟採集民であった。猿人から原人まで、ゆうに、200万年の歳月が流れたことになる。






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